LIFE LOG(数学教師の独り言)

数学教師/心理学と教育現場

自分の心理学の勉強をここにアウトプットしていきます。生徒との関わり方、先生の心の保ち方。一緒に勉強したい人用。一つ一つの記事は長いのでお時間あるとき、暇なときにでも読んでやってください。

生徒がノートが取りたくなるような話


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この間、私の学校で入試問題体験会なるものがありました。

小学6年生たちをじっさいの入試の教室で昨年のテストを受験してもらって、雰囲気を練習するというものです。

子どもたちがテストを受けている間、親御さんに対して説明会をしたり、子どもが受け終わったら、その日に解いた問題を解説したりするんですね。

 

それで、この間、問題解説を聞いてたら

 

ほぼ全てのご家庭が解説を写メ撮ってたんですね!

 

少し前なら躊躇いながら撮る人はいたのですが、いまはもう当たり前に写メ撮ってました。

 

そこでふと疑問に思ったのですが、

ノートって意味あるの?

ってことです。

 

結論からいうと長期記憶としてその記憶を残していきたいのなら絶対ノート取った方が良い

ということが研究から分かっています。

 

ここでは、そんな当たり前に写メを撮る世代の生徒に話して、ノートを取りたくなるような話を書きたいと思います。

 

ノートが取りたくなるような話

 

1.ノートを取ると長期記憶が格段に強まる

どんなメモでも良いので書けば書くほど、長期記憶が強まるということが分かっています。

記録を残すためにノートを取るんじゃなくて

ノートを書きながら記憶に残そう

というこです!

 

2.ノートってどれくらい取れば良いの?

 

1984年の研究で、ノートに書く内容は多ければ多いほど良いというものが分かっています。

思ったこと、思い出したこと、枝分けした情報も多く書きましょう。

 

(オオスメのやり方)

板書を書いて、先生が言ったことを書いて、さらにその時に感じた感情を書くことで長期的な定着が強まるということが分かっています。

●板書→黒で書く

●先生が言ったこと→青で書く

●自分の感想→緑で書く

などして、どんどん情報をノートに増やしていくのが良いということが分かっています。

 

3.ノート術はなんでもよい

 

ノート術ってどの方法を選べば良いの?ということです。

結論は、、、何でも良いです笑

1977年、2011年、2013年の研究から

あらゆるノート術でも、記憶定着向上に効果があった。ただし、システム化したノート術であることに限る。

ということが分かっています。

クリティカル式、コーネル式、科学的な事実、レクチャー側の意見、自分の意見を書いて、マインドマップ

様々なシステム化された方法を一個に決めて、とりあえずそのノートの取り方を試してみようということです。

 

記憶を強まるためにマインドマップはすごく有効ですが、通常のノート術に比べて、マインドマップはさらに効果が高いということがわかっている。ポイントは階層構造が脳の中でできれば定着として強まるということです。

 

4.絵を描くのは意味があるのか

図解、つまり絵を描いたノートは内容の理解や定着に大きく効果を生むことが2016年の研究で分かっている。図解にするだけなので、階層構造を視覚化したり、上手くなくてもよいのでイラスト化して記憶を固めていくことが大きく意味のあることということ。

●図示することによって、理解や記憶の定着を深める

●授業の中で退屈な時間を埋めるために落書きすることは大きな意味がある。落書きに対しては、人間の脳は一定の興味を示す。

 

5.リライトする時間はさらに効果あり

一度ノートを描いたあと、さらに要約をまとめたりすること、結論からするとこれは効果がある。

しかし、ただ、やり直すのではなく、やり方がある。

 

リライトをする際には次のようなことを気をつける。

●隠しながら、ノートを作る

●思い出せなかった部分の言葉は周りよりも大きめ(太字)で描いていく

●さらに太字になっている部分に付箋を貼って、あとで穴埋め問題として見返せるようにする

このような方法で遊び心を持ってリライトをすることで、効果が上がる。

 

さらに、効果が上がる方法があります。

仲間を作ってノートをもう一度振り返ることが最強ということです。

ノートを交換してリライトしてもよいですし、穴埋め問題を交換しても良いでしょう。

 

リライトポイントを学習中に作ると良い。

 

6.インスタラクターノートの効果

 

インスタラクターノートを見るとよいです。これは先生が生徒に教えるために作るノートです。

1985年の研究によると、学習者がいったん学び終わった後に、インスタラクターノート(教える側のノート)を比べると、効果がすごく高くなるかもが分かっています。

 

学習者がノートを自分なりに取った上で、理解を高めたいからもいって、先生のノートを見せてもらうことが最も効果が高い。

 

こうすることで、

先生が大事にしたいポイントと自分が大事だと思ったポイントとのギャップを埋める

これが大事。

 

また、先生とのノート交換が出来なかった場合には、友人とのノート交換をしてみることも大切です。こうすることで、主観的に理解していた内容が、多角的な見方を加えることになります。

 

ノートを取る→大切なポイントを比べる→振り返る

 

ことで記憶の定着が強化されます。

 

ジェニファーゴンザレスさんの研究

 

7.メタ認知

一歩引いたところから、自分を俯瞰で見て、自分と自分の行動を考えながらノートを取ることが大事です。

 

2005年のプロバンス大学のレビュー研究からです。メタ認知をしながらノートを取ることは効果が高いということです。

手法は以下の通りです。

 

●ノートを取る前に自分に質問を投げかけ

①ノートを取る目的はなんだろうと?

②いつも同じ方法でノートを取っているだろうか?

③そのノートをどのように使うのか?

 

●ノートを取りながら自分自身に対して質問を投げかけ

①自分はなぜその情報をノートに書いているだろうか?

②自分はそのノートに満足しているだろうか?

③自分のノートは他の人と比べてどうだろうか?

●ノートを取ったあとで自分に投げかける

①もう一回ノートを取るならどう改善して取るだろうか?

②どのように改善していくだろうか?

③自分のノートを先生がみたら何てコメントするだろうか

 

これら考えながら初めは意識的にノートを取っていきましょう。慣れてくると自然とノートを取れるようになるそうです。

 

 

 

まとめ

 

みなさんはこれを読んでノートを取ってみたくなりましたか?

生徒に話すときには少しずつアレンジして話してあげてください。

新学期には新しいことにチャレンジさせる声かけが一つでも多くできると良いですね。

 

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