LIFE LOG(数学教師の独り言)

数学教師/心理学と教育現場

自分の心理学の勉強をここにアウトプットしていきます。生徒との関わり方、先生の心の保ち方。一緒に勉強したい人用。一つ一つの記事は長いのでお時間あるとき、暇なときにでも読んでやってください。

VS三日坊主!研究から習慣化を考える!


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様々な研究から習慣化するためのノウハウを考えていきたいと思います。

生徒にみなさん「1日2時間勉強しなさい」のように結果のみを求めた発言をしていませんか?

習慣化するための正しい声掛けを一緒に学んでいきたいと思いますす。

 

ここでは6つのテクニックを紹介していきます。

 

(1)自己効力感を鍛えると習慣化は強まる

(2)初期は意思、後期は手軽さ

(3)モニタリングが習慣化する

(4)インセンティブの上手な使い方(インセンティブリマインダー)

(5)誘引習慣

(6)コンテキストの固定

 

それでは1つずつ解説していきます。

 

(1)自己効力感を鍛えると習慣化は強まる

  ある研究。タバコの禁煙という、習慣化が難しそうなものを調べたもの。85組のカップルの片方が禁煙を始めた。すると

●禁煙を始めた本人の自己効力感が高ければ高いほど禁煙率が上がった(ここまでは当たり前)

●禁煙を始めたパートナーの自己効力感が高い方が、禁煙してる本人の禁煙率が上がった

上記の2つが分かったらしい。この2つ目は驚きですよね。自己効力感が高い人と一緒にいるだけで、近くの人も伝染して効果が上がったということです。

だから、習慣化したいものがあるときに、自己効力感が高い人を探して定期的に会ったり話したりすることが大事ということです。

身体を鍛える習慣を身に付けたかったら、ジムに通っている自己効力感の高い人とよく話すようにして、毎日ブログを書きたかったら、意識の高いブロガーの集いに参加してみるなど。

 

自己効力感は伝染する

 

これがまず習慣化のための大切なポイントの1つだ。

 

 

(2)初期は意思、後期は手軽さ

 

習慣を身に付けるために必要な力は

●身に付けるために初期に付ける力

●維持するために必要な力

の2つがあり、これば別の種類であることが大事。

 

フルーツを食べる習慣がありますか?

という調査をした。この際に習慣化には至ってないが

●フルーツをよく食べる人(習慣強度は強)

●フルーツをまあ食べる人(習慣強度は中)

●フルーツをあまり食べない人(習慣強度は弱)

という3つのグループに分けて5週間調査したとき

習慣強度が弱のグループは、よしフルーツ食べるぞ!という意思の力で、フルーツを食べる量が多くなった。つまり、習慣の初期については、どれだけ意思を強く保てるかということが重要であった。

しかし、習慣強度が強のグループでは、意思の強さではなく、手軽にフルーツが手に入るかというところがフルーツの摂取量に差が出た。

 

つまり、習慣化の初期には意思の強さが関係し、後期には手軽さが最も大切だった。

 

手軽さを追求するってことが身につけていく最後の一歩に大事。

 

 

(3)モニタリングが習慣化する

 

子供たちに、手を洗う習慣をさせることを身に付けさせる研究を3ヶ月やった。ここでは大きく2つに分けて

●モニタリング群

あなたはどれだけ手洗いしてますよっていうレポートを届けた

インセンティブ

手洗いするたびにご褒美をもらえる

という2つで実感したところ

 

モニタリング群が23%も高かったらしい。

そして、実験終了後にも継続したのはモニタリング群で、インセンティブ群はご褒美がないので継続しなかったらしい。

 

インセンティブ<モニタリング

 

つまり子どもに何かを習慣化させたい場合にはモニタリングをしてあげて、定期的にどれだけできているかを考えさせることが重要ということです。

これは生徒たちに学習記録を付けさせて、自分で定期的に振り返りをさせることの重要性と捉えることができますね。

 

(4)インセンティブの上手な使い方(インセンティブリマインダー)

 

自分がこういうご褒美をもらえるよってことを定期的に思い出すことで、インセンティブも正しく機能するという研究

 

2055人の万歩計を使った実験で

●目標の歩数を達成すると25ドルもらえるグループ

●目標の歩数を達成すると25ドルもらえるし、さらに定期的に「目標を達成すると25ドルもらえるよ」とメールもらえたグループ

の2つを2週間比べたところ

リマインダーグループの方が20%も歩数を稼いだらしい。

2週間で20%はすごいですよね。

 

報酬の正しい使い方は定期的にリマインドするシステムの構築。

 

 

 

(5)誘引習慣を上手に使う

 

何も考えずに自動的に続けられる習慣のこと。これをうまく使っている人が運動など続けられている人。

 

123人の学生に運動習慣についてアンケートを取ったところ、運動の習慣化について大きく2つパターンがあった。

●誘引習慣

何かきっかけを決めてすぐ行動すると決めていた人

例えば歯磨きしたらとりあえず筋トレなど、きっかけだけ決めているグループ

●実行習慣

具体的に何をするか決めていたグループ

例えば今日はジム行ってこれやって、これやって...と運動する内容を決めていたグループ

 

その後統計を取ったところ、実際はエクササイズがより続いていたグループは誘引習慣の人たちが多かった。つまり、何かキッカケを作っていたグループの方が強かった。

さらに、誘引習慣のすごいところは

実験期間が長ければ長いほど行動頻度が増した。

 

長ったらしいリストはいらない。

家に帰ってこれをきっかけに勉強する、というキッカケを作ってあげた方が頻度も強度も上がっていく。これが誘引習慣。これをうまく使う。

 

 

(6)コンテキストの固定

 

つまり文脈の固定です。最終的には、時間や場所など固定した方が習慣強度が強まるし、自動化されていく。最終的な目標はここです。

 

歯磨きを例にとると、

家に帰って、ご飯を食べて、お風呂に入って、歯磨きをして、ドライヤーで髪を乾かして、寝る。というこの一連の流れの中で習慣化されています。

生活の中での「流れ」を確定させていくことが習慣化に繋がっていきます。

 

つまり生徒たちに学習習慣を付けさせようと考えるということは、

生徒たちに生活習慣を考えさせるということなのです。

 

 

この6つが習慣化させていくための基本的なポイントです。今日はここまで。みんな最後まで読んでえらい。

 

 

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