LIFE LOG(数学教師の独り言)

数学教師/心理学と教育現場

自分の心理学の勉強をここにアウトプットしていきます。生徒との関わり方、先生の心の保ち方。一緒に勉強したい人用。一つ一つの記事は長いのでお時間あるとき、暇なときにでも読んでやってください。

仕事効率化は無意味という研究?仕事に関するモチベーションを育てる方法


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単純な仕事効率化は無意味?今日はそんな話を書いていきたいと思います。

また、後半の話は仕事にやる気がでなくなったときに読んでみてください。

 

ジョブクラフティング

好きでない仕事を好きになるようにすることで、そうすることで仕事の効率化を目的としたものです。

様々な手法があり医者看護師を対象に実験してみました。

 

ジョブクラフティングの手法

a.チャレンジシーキング

 やったことのない仕事で役立ちそうな新しいことを試す

b.リソースシーキング

 人間関係を親密にして成長させる方法。仲間と何かをこなすなど。

c.デマンドリデューシング

 効率化。人の自分が抱えている負担を減らす。

 

結果は、その仕事にどれだけのめり込めたかというものを測った。

①チャレンジワーキングが最もモチベーションを高めた。前に進んでいく感覚が最も大切。そして成果を挙げた。
②デマンドイリューシング(自分の手間を減らしたり、暇な時間を増やすこと)は疲労感が増した。つまり単純な効率化は手間を減らすことでモチベーションを減らしてしまう効果もあることがわかっている。どれだけ苦労したか、どれだけリソースをかけたかで情熱が変わるということです。

 

じゃあ効率化しなくて良いの?という話ですが、効率的にやることはすごく悪いことのように見えますが、そうではありません。効率的にやることはすごくいいことです。

しかし、それによって情熱が失われてしまうことがわかっているので、この情熱を他の部分で補ってあげることが大事。

この他の部分として効果が高いのはチャレンジシーキングに結びつけて行動するのが良いと言う話です。つまり上のa~cを組み合わせる。効率化して、空いた時間でチャレンジすることが大事。

 

例)「これを辞めて、楽しよう」は情熱を失っていく
  「これを辞めて、何しよう」はOK!

 

情熱を探すのはもうみなさん辞めましょう

やりたいことを探そう!情熱を持てるようなことを探そう!というのは、辞めましょうという話です。

 

100人前後に●どんな学問が好きかを聞いたり●どんな文化が好きかを聞いたり●まったく興味のない分野の本や論文を読ませたりした。

人間の情熱の感じ方に関する研究

 

1 フィックスドパッション

 情熱はフィックスしていて、自分の中に情熱は眠っていて、それを見つけるという考え方。つまり自分の中には何か情熱があって、それが何か探していこうと向いている仕事を探していく考え方。多くの人はこの考え方をしている。好きなことして生きている!という考え方

 

2 グロースパッション

 情熱は成長していくという考え方

何回かやるうちに、やる気が芽生えたり、情熱が成長していくだろうという考え方。自分の中には特にやりたいことはないかもしれないけれど、どの仕事もはじめは情熱を感じないかもしれないけれど、やっているうちに情熱を持ってやり遂げられる仕事はなんだろう、それを自分の中で育てていこうという考え方。

 

これらの2グループの人を集めて、さらに「ブラックホールに興味がある人」「ブラックホールに興味がない人」に分けた。つまり次の4つのグループに分けた。

●フィックスドパッションでブラックホールに興味がある人

●フィックスドパッションでブラックホールに興味がない人

●グロースパッションでブラックホールに興味がある人

●グロースパッションでブラックホールに興味がない人

 

これらのグループの人たちに対して、ブラックホールに関する映像を見せて、さらに専門的な論文も読んでもらった。映像は興味がなくてもなんとなく観れそうだけれど、論文は根気がないと読み切れなさそうですよね。

結果として、ブラックホールに興味があるかないかよりも、情熱の感じ方のタイプによって、論文を読み切れるかどうかに差が出た。

●グロースパッションの人の方が異分野に興味が持ちやすかった。興味がない人でも専門的な論文を読み切ることができた。

●フィックスパッションの人は、興味のある分野の専門的な論文でさえ読み切れなかった。

 

つまり、グロースパッションの人、情熱はやっているうちに育っていくものという考え方の人は、興味がもともとなくとも、専門的な論文を読み取ることができた。

グロースパッションを持った人は、主体的な行動をしている。「とりあえずやってみよう」という考え方を持っていることが大きい。

フィックスドパッションは、受け身な行動をしている。「何かやりたいことないかな」「自分が何に向いているのかな」と動かずに自分で考えていることが多い。

 

つまり

自分がやりたいことを見つける:NG

自分がやりたいことを育てる:OK

 

やってみなきゃわからないから、試行回数を増やして、情熱を育てるという考え方が大事ということです。

 

起業家の情熱の源泉を調べた実験もあります。

これは起業家の人の情熱の量を測っているものなのですが、面白い結果が出ています。

その起業家の人の

これまでの歩みよりも、先週どれくらい頑張ったかで、結果が変化した。

ということです。本当に単純に頑張った分が情熱として返ってきていた。

 

つまり私達は、

情熱があるから頑張っているのではなく、頑張っているから情熱がある

ということです。

 

 

まとめ
情熱は見つけるのではなく、成長させましょう。

そして、努力した分だけ成長するためには

1前に進んでいる感覚が大事

2自由に工夫することが大事

また、フットワーク軽く試行回数を増やすことも大事ということでした。

 

何に向いているではなく、自分の中の情熱は、何が育つかという考え方をしていきましょう。

そしてこれは生徒の進路指導にも少し生きてくるのではないでしょうか。

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